未払い賃金のゲットは自分だけでも出来る

「残業代請求バブル」でも弁護士に頼らずに自分で出来ます

最終更新日:2016年10月25日


【日刊SPA!】弁護士による「残業代請求バブル」が始まった! これでサービス残業や長時間労働が無くなる!?

借金の過払い金請求が一段落して、次に弁護士が目を付けたのが「残業代請求」だそうです。
未払い残業代の請求って、証拠さえあればほぼ間違いなく支払われるので、結構お手軽。
自分でもできます

私も十数年前、アルバイト先の残業代・深夜超過分の未払いを請求して、100万円くらいゲットしたことがあります。
当時の私は法律なんて勉強したことがないド素人でした。

超過勤務・深夜勤務・休日勤務には手当が付きます。
未払いの場合には請求できます。

  • ・1日8時間または1週間で40時間を超える労働 1.25倍
  • ・深夜22時から5時 1.25倍(超過していたら合算して1.5倍)
  • ・法定休日 1.35倍 (深夜なら合算して1.6倍)

※法定休日は日曜日とは限りません。週一回の休日を決めることが義務づけられています。
※法定休日はすでに超過勤務扱いなので、法定休日+超過勤務手当とはなりません。深夜はつきます。

さらに1ヶ月60時間以上の時間外労働は1.5倍。

これが手当です。
まず1時間あたりの給与を算出して、それに上の値を足したのが正規の残業代・深夜手当となります。
月給制でも時給換算します。

時給制なら簡単。
時給1,000円のお仕事なら、1日8時間を超える残業は1,250円。
深夜勤務なら1,250円。
深夜かつ残業なら1,500円。

これが基本です。

残業代請求の重要ポイント

  • ・時効は2年
  • ・辞める前に行動開始
  • ・証拠がすべて
  • ・早いもの勝ち


証拠がすべてですので、辞める前に証拠を集める必要があります。
論点は2つ。

・残業をした証拠
・残業代が支払われていない証拠

残業をした証拠」は、タイムカードが一般的です。
タイムカードはコピーしましょう。
あるいは、スマホ等で写真をとりましょう。
過去の分のコピー等を持っていない場合は、なんとか上手いことやって手に入れてください。
会社が悪質だと、残業をしたかどうかが争点となります。
証拠がなければ、残業代の請求ができません。

どうしてもタイムカードのコピーがとれなければ、サーバーのログとか、メールの送受信履歴とか、「その時間まで働いていた」ことを証明できる資料を入手してください。
証拠となる資料の入手次第ですべてが決まるといっても過言ではありません。
弁護士に依頼したとしても、資料を手に入れるのは自分しかいません。
なので、過去2年分のタイムカード等の最高な資料があれば、弁護士に頼らずとも自分で全額ゲットできます。

残業代が支払われていない証拠」は給料明細があれば大丈夫かと思います。

この2つの資料を手に入れたら、自分で計算します。
上記の計算式で正規の賃金を割り出して、実際に支払われた賃金から引きます。
結果が、未払い残業代です。
この計算を間違えると請求額が変わるので、自信がなければ弁護士等に依頼するのもよいかと思います。

辞めた後だと、この資料の入手が非常に困難です。
辞めた人は赤の他人です。
タイムカード等は社内の資料です。
会社側には、開示をする義務はありません。
必ず辞める前に資料を入手しましょう。

・早い者勝ち・・・かも

企業側にとっても、ばかにならない大きな金額です。

例として、アルバイト10人に違法サービス残業をさせていた飲食店を考えてみましょう。

毎日2時間サービス残業をさせていたとします。
※サービス残業の場合は、残業代が丸々支払われていませんが、多いケースは手当だけが付いていないケースです。
時給1,000円なら、1,000円は支払っているけど、超過勤務手当の250円が支払われていない、といった例。

簡単にするために、手当ではなく完全なサービス残業だったとします。
時給1,000円だとして、残業手当は0.25倍なので、時給1,250円×2時間=2,500円が未払い。
1日のべ10人だとして、25,000円。
10人合わせて1ヶ月750,000円の未払い。
時効は2年なので、総額18,000,000円の未払いがあり、請求されれば支払う必要があります。
2千万円近い金額を支払うのは大変で、倒産の危機ともなりえます。
これは決して大げさな数字ではなく、むしろ控えめです。

非常に有名な日本マクドナルド事件では、店長1人に750万円の支払い命令が出ました。

それなりの規模のブラックバイト企業で、バイト全員が過去2年分の請求をすると、とんでもない金額になります。
このため、請求が後の方になると支払い能力が無いかもしれない。
あるいは先例が作られて、なあなあになるかもしれない。
ですので、未払い金の請求は職場内で早いほうがいいと思います。

上の例では丸々支払われていないサービス残業ですが、残業手当だけが支払われていないケースでも結構な金額になります。

月給32万円だと、時給換算でおよそ2,000円です。
残業時の時給は2,500円なので、手当は1時間500円です。
月60時間だと3万円の未払い。
2年(24ヶ月)で72万円の未払いです。
このくらいのケースは非常に多いと思います。

未払い残業代請求、私の経験

私は、フリーターをしていました。
この時は主に深夜の時間帯に働いていたのですが、深夜手当はついていませんでした。
※昼勤の人より時給は高かったですが、契約書のどこにも深夜割り増しとは書いておらず、ただ時給が書いてあっただけ。しかも、22時-5時という規定もなかった。

また、1日8時間を超えてからも、手当は付いていませんでした。
1年くらい勤務してから辞めるときに、未払い金の請求をしました。
幸いなことにタイムカードだったので、すべて写メをしてありました。
明細もありました。
証拠としては万全。

会社との1回目の面談では、社長と法務の人と顧問弁護士が来ていました。
揃えた資料すべてと請求金額を、事前に内容証明で送付してあったのですが、弁護士さんは「どういったお話でしょう」といった感じでなんかフレンドリーな感じで丸め込もうとしてきたので、「先にお渡ししてある通りです」ということと、「何かおかしな請求してますか?」と言ったら、黙ってしまいました。
法的には突っ込むところがないので、企業側の弁護士の出る幕はないです。
全部で3回面談しましたが、2回目以降弁護士は来ていませんでした。
繰り返しますが、証拠がすべてです。

結果として、100万円くらいゲットして辞めましたが、社長は楽しんでいましたね。
大した金額ではないし、「20歳ちょいの若造がなんか面白いこと言って来たなー」みたいな感じでしたね。

私の後に何人か真似をして同じ事をしたのですが、社長は1回で飽きたのかすべて弁護士まかせ。
しかも示談ではなく、裁判まで行きました。
私も手伝ったのですが、会社側としては引き延ばして出来るだけ面倒くさいと思わせようという戦略でした。
数十人バイトがいる職場だったので、全部のバイトに同じ事をやられたらまさに倒産の危機です。
裁判まで持ち込み手間暇をかけさせることで、請求させないようにしようという意図だったと思います。

企業側がこういう態度であれば、弁護士に任せた方がいいです。
請求している金額と、請求にかかる労力のバランス次第ですね。

泣き寝入りをする必要はありません。
働いた以上は正当な権利です。
自分でやるのも弁護士(140万円以下なら司法書士でも可)に任せるのも、どちらもいいと思います。

現在あまり法的知識がない方が自分でやられるのであれば、あくまでもビジネスとしてやった方がいいです。
予備知識の取得まで考えれば、それなりに面倒くさいので。
弁護士に依頼した場合と自分でやった場合の差額を計算して、その金額をビジネスとしてやったときの報酬として考えてみる。
そのうえで、過程を楽しめるのであれば自分でやるのもいい経験になると思います。
もちろん、弁護士に任せた方が比べものにならないほど楽ですし、会社側の態度もまったく違います。

ちなみに私は、この件が法律に興味を持つはじめのきっかけとなりました。