プロによるプロのためのサーバー選び基礎知識

プロが教えるサーバー選び ホームページ用サーバー種類と基礎知識

最終更新日:2016年11月13日

ホームページを開設するためには、ウェブサーバーが必要です。
ウェブディレクターなどWEB屋の仕事では、お客さんからサーバー選びのご相談もいただくことがあります。
どのようなウェブサーバーの選択肢があり、それぞれどのような案件で選べばいいのか、簡単にご説明します。
ここではあくまでも「ホームページ」用のサーバーについてだけ言及しています。
イントラネットや社内システム等については考慮していません。

ウェブディレクターとして活躍している方でも、以外と知らない方が多い。
テクニカルディレクターとウェブディレクターの中間領域といえますが、ウェブディレクターでも知っておいたほうがいいのは当然です。
お客さんに聞かれたときに答えられるようにしておきましょう。

レンタルサーバー(共用)

一般的に「レンタルサーバー」といえばこれ。
物理的な「サーバー」という一種のパソコンの中に、複数の契約者が同居しています。
1つのサーバーを分割して、あたから複数あるかのように扱います。
1つのサーバーをシェアするので「シェアサーバー」「シェアプラン」と言ったりもします。
サーバーの維持管理はレンタルサーバーの業者がおこなうので、専門的な知識の必要や運用の手間はありません。
「同居」しているので、同じサーバーの別の入居者が悪さをすると影響を受けます。
結局同じマシンなので、別の入居者のサイトにアクセスが集中すると自分のサイトも重くなります。
サーバー自体のスペックも低いことが多いです。

費用目安(月額):0円〜10,000円
信頼度:まちまち
手間・専門性:不要
向いているサイト:
個人のサイト、小規模な商店、企業のコーポレートサイトなど
サイトの目的がサイト自体にある場合は不向き。
ウェブメディアなどの記事コンテンツ、ネットショップ等は、ウェブサイト自体が収益を上げるツールです。このような場合には、信頼性が比較的低く、急激なアクセスの集中に耐えられない共用サーバーはおすすめできません。

共用サーバーは同時接続数に制限があります。
サーバースペックに関わらず、アクセスが集中すればダウンします。

ウェブサイトをあくまでも、宣伝や集客ツールのひとつに過ぎない、とする場合には向いています。
個人レベルでいいのであれば、1,000円未満のプランで充分です。
動的なサイトでアクセス数もそれなりにあるのであれば、数千円のプランがいいです。

サーバーサイドの技術やサーバー自体の設定を変更することは出来ないことが多いです。
このため、複雑なサーバーサイドの技術やCMSは使えない場合があります。
契約候補のレンタルサーバーが必要な要件を満たしているのかどうか、しっかりと確認する必要があります。
例えば定期的に自動実行する機能が必要であれば、「Cron」が使えるかどうかの確認が必要。

同時接続数とは

ウェブサーバーに一時に接続できる数です。
共用サーバーの場合は100前後であることが多いですね。
同時接続というのは、「ウェブサイトを閲覧している人」の数ではありません。
ウェブサイトは、ページが開き終わったら接続が切れます。
ブラウザを開いてどこかのホームページを開くと、ブラウザにくるくる回るアイコンが現れます(ビジーインジケーターと言います)。
これがくるくる回っている間だけが、「接続数」に含まれます。
くるくる回るのが終わると、ホームページはスマホやパソコンにダウンロードされた状態なので、同時接続数には含まれません。

つまり同時接続数の上限が同じでも、くるくる回っている時間が長いサイトほど上限に達しやすいということです。
たとえ話をします。

客席数が100席の喫茶店があるとします。
お客さんが100人入ると、101人目以降は「満席です」ということで注文できません。
この状態がホームページの場合は「503エラー」としてブラウザに表示されます。
お客さんが1人出て行けば、また1人入れます。

同じレンタルサーバーであれば、この100人(同時接続数の上限)は変わりません。
ですが、喫茶店にお客さんが滞在する時間が違えばどうでしょう。

1人平均1時間滞在するお店と、1人平均10分しか滞在しないお店。
100席という数は変わらなくても、処理できる数は大きく異なります。

「静的ウェブサイト」だと、この滞在時間が短いです。
「動的ウェブサイト」だと、この滞在時間が長いです。

共用レンタルサーバーは、複数の人のウェブサイトが同じサーバーに同居しています。
誰かのサイトにアクセスが集中すると、他の同居人のサイトも重くなったり、落ちたりします。
これを出来るだけ防ぐために、「同時接続数の上限」が設けられています。
共用レンタルサーバーであれば必ずあると思っていいです。
なければ「他の同居者のせいで落ちるかもしれないサーバー」となってしまうので。
販促活動などで短期間にアクセスが集中するサイトは、共用レンタルサーバーではない選択肢を選んだほうがいいでしょう。

おすすめ共用レンタルサーバー

費用低め:バリューサーバー

このサイトwebzin.jpは「バリューサーバー 」です。
月額1,000円未満でそこそこのサーバーをお探しならオススメ。
HTTPSもHTTP/2も可能。このサイトも両方やってます。
Cronで30分に1回の自動更新もしています。
数年前使用していたときにはちょっとサービスが悪くてやめたのですが、GMO傘下になってからはとてもいいです。
管理画面等のホームページも見やすくて使いやすくなりました。

費用高め:CPI

共用サーバーでありながらそこそこPV数もあるし信頼性も欲しいという場合はKDDIの「CPIレンタルサーバー 」がおすすめ。
超有名企業なのでクライアントにも勧めやすいです。
有名企業ならNTTのウェブアリーナもありますが、あまりおすすめしません。ユーザーの気持ちや初心者のことをあまりわかっていない気がします。
法人向けであまり費用がないのであれば、まず最初に考えるレンタルサーバーです。

レンタルサーバー(専用・フルマネージド)

基本的には共用レンタルサーバーと同じです。
維持管理もすべてレンタルサーバーの業者がおこないます
異なる点は、同居人がいないという点です。
物理的に1つのサーバーを自分だけで使用できます。
そのため価格も高めですが、同時接続数の上限等はないことが普通です。
サーバー内でメールサーバーとウェブサーバーを分けたり、クラウドドライブとして使うなどさまざまな使い方ができます。
複数サイトを持っているなら、このプランでサーバーを借りて自分で自分の管理するサイトだけを「同居」させることも可能です。

費用目安(月額):20,000円〜100,000円
信頼度:高い
手間・専門性:不要
向いているサイト:
企業サイト、アクセスが集中するサイト。
従量課金ではなく定額である必要がある場合。
このうち、専門のサーバー技術者がいない場合や、サーバーの維持管理をする手間を取りたくない場合に最適。

おすすめ専用レンタルサーバー

CPIの専用サーバー

フルマネージド(維持管理全部お任せ)できる専用サーバーでは一番のおすすめ。
サーバー技術者がいない・運用の手間をあまりかけたくない、という案件で専用サーバーが必要であれば、実際に私が実務で一番におすすめしているサーバーです。
サービス担当者の対応も良好です。

VPS・レンタルサーバー(専用・root権原付き)

サーバーの本体だけを借りるプランです。
物理的なサーバーマシンを用意したり維持管理をしたりしなくても、専用のサーバーを持つことが出来ます。
レンタルサーバー業者はハード面を用意します。つまり物理的なマシンと通信回線等を用意するだけです。
ソフト面のサーバー自体の設定や維持管理は自分でおこなう必要があります。
逆に言うと、自分のサーバーであるかのようにハード面以外は何でもできます。
「root権限」とは、サーバーのすべてを触ることができる権限です。

費用目安(月額):10,000円〜100,000円 またはそれ以上
信頼度:ハード面は高い。ソフト面は自分次第
手間・専門性:必要
向いているサイト:
技術的に複雑な要件が必要なサイト。
アクセスが集中するサイト。
専門知識と技術をもったサーバー技術者が必要です。

AWS・Azureなどのクラウドサービス

AWS(Amazon Web Service)を筆頭にクラウドサービスが普及しています。
自社サーバーからクラウドサービスへ移行する企業も増えました。
基本的には「VPS」と同じように専門の知識と技術が必要です。
維持管理を代行する業者も多いです。
レンタルサーバーの場合は、ハードの所持者とソフトの管理者が同じでしたが、こちらは別となります。
ハードはAWS、ソフトの管理は代行業者といった具合に。
もちろん自分で維持管理をすることも可能ですが、代行業者を通した方が費用が安くなる場合もあります。

費用目安(月額):0円〜 (従量課金が一般的)
信頼度:自分次第
手間・専門性:必要
向いているサイト:
ウェブサイト自体が重要な収益源であるサイト
ウェブメディア系のサイトやネットショップ、信頼性が求められるサイトなど。

どんな要件にも対応できます。
絶対に落ちないサイト。
どんなにアクセスが集中してもパフォーマンスが変わらないサイトなど。
AWSは最近HTTP/2へ対応したので、CloudFront等のCDNと組み合わせれば超速いハイパフォーマンスなサイトを作ることもできます。
フェイルオーバー等の設定をしておけば、万が一にも落ちないサイトを作れます。
その分、手間と費用がかかります。

HTTP/2がだいぶ普及してきたので、CSSスプライト等の技術は過去のものとなるはずですが、「通信数を減らす」という目的のためにこれからも生き残り続けるでしょう。
※例えば100のアイコンをひとつにまとめたCSSスプライトであれば通信数は「1」。HTTP/2対応でアイコンをすべて個別ファイルにすると、それだけ通信数が増える。

自社・自宅サーバー

クラウドサービスの影響で減ってきました。
サーバーのハードもソフトも自社や自宅で用意するタイプです。
維持管理の手間と費用がかかります。
VPSやクラウドサービスのようなソフト面だけではなく、ハード面も維持管理が必要です。
万が一のための無停電電源装置やバックアップ用のハードディスク、古くなったパーツの交換など、費用も手間もかかります。
信頼性が必要であれば、24時間監視できる体制の維持も必要。
物理的な設置場所も重要で、自社なら自社にサーバーがあります。
海外向けのサイトは海外にサーバーを置いたほうがパフォーマンスが高いですが、AWS等クラウドサービスでは簡単に設置できます。
また大災害等を考えると、物理的に遠隔地や複数地に設置していたほうが安心です。

費用目安(月額):
信頼度:
手間・専門性:必要
向いているサイト:
イントラサイトなど。
万が一にも漏洩が許されない機密情報の扱いなど。
(自社管理だから安全だということはありませんが)

Tumblr、Googleサイト、ブログサービスなど

Googleサイトのように基本無料でホームページをつくって公開できるサービス。
TumblrのようなSNSでもマイページを充実させて事実上のホームページを作れるサービス。
ライブドアブログのような自由度の高いブログサービス。

技術的な要件が低いサイトであれば、このようなサービスを使って公開することもできます。
独自ドメインも使えます。
Tumblrでウェブサイトを作るのは一時期流行りました。

費用目安(月額):0円〜
信頼度:高い
手間・専門性:不必要
向いているサイト:
会社案内等のシンプルなサイト